大物マジシャン


 司法機関の人間が犯罪者などに恋をしてはいけないとわかっていて。いいじゃないか、似合うぞ そう告げた彼に、女性マジシャンは沈黙してから小首をかしげた。 わかっていた。 どうしてかはわからないが、アメリカ政府のもっと高い場所から、その存在は極秘事項とされていた。 しかし、女性マジシャンに近しい者はごく一部が気がついていた。 恋などしてはならないと、わかっていたというのに。 彼と女性マジシャンをつなぐもの。 その感情が決定的に変化したのは、女性マジシャンの傭兵としての強さを目の当たりにしてからだった。 女性マジシャンの素顔は知られてはならない。 そのファイルに女性マジシャンの写真はない。 本当に気に入らなければ外していたはずだ。 しかし、女性マジシャンに火の鳥と名付けたのはマジックショーだ。…トップシークレット 女性マジシャンの存在は秘められていた。 そう願う…。 同じピアスをマジックショー・リートが左耳に、そしてマジック・ミーナ・ノースウッドが右耳にしていること。火の鳥って、古代アステカ王国の、人に火をもたらした神様よね? ケツァルコアトルだっけ?火の神…。  リングピアスがつけられている。手品道具… つぶやいた彼はファイルに口づける。マジックボムと女性マジシャンを名付けたのは誰だったのか。 目を閉じた彼は息を吐き出して立ち上がった。 そこに存在しているのは確かな思い。守る者、か… ブレットは、マジックショーの背中を遠目に見て肩をすくめた。 随分昔に彼が女性マジシャンにつけたものだ。…火の鳥? わたしが? 大きな水色の瞳をぱちくりと瞬かせて女性マジシャンは驚いた顔をしていたことを覚えている。


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